お客様各位
2019年9月23日
上海旭日会計士事務所
新旭日財(上海)企業管理諮詢有限公司
初秋の候、貴社ますますご盛栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
2019年4月に発布された固定資産加速原価償却措置について説明いたします。
固定資産加速原価償却措置について
製造業企業の技術革新と設備更新を促進するため、財政部と国家税務総局は2019年4月23日に「固定資産減価償却の加速優遇措置の適用範囲の拡大に関する公告」(財政部 税務総局公告2019年第66号)を公表した。主な内容は次の3つである。
一、2019年1月1日から、「財政部 国家税務総局 固定資産加速減価償却に関する企業所得税政策についての通知」 (財政2014 75号)と「財政部 国家税務総局 固定資産加速減価償却に関する企業所得税政策の強化についての通知」(財政2015 106号)通り固定資産加速原価償却優遇業種の範囲は全製造業企業まで拡大すると決定する。
二、製造業は国家統計局の「国民経済業種分類とコード(GB/4754−2017)」によって確定する。今後、国家の関連部門は国民経済の業界分類コードを更新した場合は、その更新規定に従う。
三、本公告が発布された前に、製造業企業が固定資産加速減価償却の優遇措置を適用していなかった場合は(2019年1月前に*六業種限りが上記優遇措置を享受できた)、本公告発布後の四半期企業所得税を予納申告月にその優遇措置を適用できる、あるいは2019年度所得税確定申告時に適用できる。
*注:六業種というのは生物薬品製造業、専用設備製造業・鉄道・船舶・宇宙航空とその他運送設備製造業、コンピューター・通信と他の電子設備製造業、機器計器製造業、情報伝送・ソフトウェアと情報技術サービス業などの企業は、2014年1月1日以降に固定資産(自社建設を含む)を購入するとき、企業所得税法規定の償却年数*60%下回らない償却年数を短縮できる、または残存年数の200%定率法や級数法も採用できる。(财税〔2014〕75号)
上記公告、財政2014 75号 、財政2015 106号 、財政2018 54号の内容をまとめると、企業は自主的に新規購入した固定資産に対して、減価償却年数の短縮方法、または加速減価償却方法を選択することができる。
*注:(財政2018 54号)の規定は企業が2018年1月1日から2020年12月31日間に新規購入した設備、器具の単位価額が500万元を超えない場合は、原価償却せずに当期一括損金算入できる。単位価額が500万元を超えた場合は、企業が償却年数の短縮または加速原価償却方法を採用できる。
上記以外に、企業は固定資産の加速減価償却政策についての運用は、次の注意すべき点がある。
1、単位価額が500万元を超えない場合は、使用開始後の翌月が属する年度内に一括償却し、損金算入できる。
2、減価償却年数の短縮方法を採用した企業は、固定資産を新規購入した場合、最低減価償却年数≥企業所得税施行条例の第六十条に規定された減価償却年数の60%、購入した中古固定資産の場合、最低減価償却年数≥(企業所得税実施条例規定した最低使用年数-使用合計年限)*60%、最低減価償却年数を一旦選択したら変更できない。最低償却年数と短縮償却年数の詳細は下記とおり表にまとめました。
企業所得税施行条例の第六十条に規定された減価償却最低年数 |
短縮減価償却年数を採用する場合 |
|
固定資産種類 |
最低償却年数 |
短縮後できる最低償却年数 |
建物・建築物 |
20(年) |
≥12(年) |
飛行機・汽車・汽船・機器・機械とその他製造設備 |
10(年) |
≥6(年) |
器具・工具・家具など製造経営業務に関する |
5(年) |
≥3(年) |
飛行機・汽車・汽船以外の運送手段 |
4(年) |
≥2.4(年) |
電子設備 |
3(年) |
≥1.8(年) |
減価償却年数の短縮固定資産について、減価償却終了後引き続き使用されていて、かつ12ヶ月以上経っても固定資産処分(廃棄などの状況を含め)を行わなかった場合、今後類似する同一的な機能を有する固定資産を再調達または改造、建替えした場合、減価償却年数の短縮方法を採用できない。
3、加速原価償却方法というのは200%定率法あるいは級数法採用でき、この加速原価償却方法が一度決定されたら,通常は*変更できない。
*注:償却方法を変更できるのは固定資産の使用中において経済・技術環境及びその他環境が固定資産使用から生まれる経済利益の予見実現方法へ大きな影響を与える場合に限るものとする。企業は固定資産の減価償却方法を定期的に検査し、もし固定資産が企業に経済的な利益をもたらす方法に重大な変化があった場合、企業は減価償却方法を変更できる。
4、企業は税務検査のために固定資産購入時の領収書・帳簿証憑などの関連資料を保存し、さらに台帳を作り、税法と会計の差異を精確に反映させる。
5、企業は自社の生産・経営ニーズに応じて、加速減価償却方法の不採用も認められる。
6、企業が研究開発業務の中に使用された机器・設備は、税法の規定に一致し且つ減価償却加速の優遇措置も採用する場合、研究開発費用税前加算控除政策を適用する時に、税前控除の減価償却分だけが加算控除できる。
以上