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中国・国務院が8月13日に発表した「外商投資環境のさらなる最適化と外商投資誘致の強化に関する意見」(国発〔2023〕11号)と8月21日人民銀行発表の金利下げを紹介いたします。
外資誘致の24項目措置
各省・自治区・直轄市などに対して、海外からの投資に関する環境改善や誘致強化を促すのが目的です。
意見では、(1)外資誘致の品質の向上、(2)外資系企業への内国民待遇の保障、(3)外国人投資保護の継続的強化、(4)投資運営円滑化レベルの向上、(5)財政・税制支援の強化、(6)外国人投資促進方法の改善の6ポイントについて24項目の措置が記載されている。
上記六項目の一部詳細内容は下記になります。
(1)外資誘致品質向上の(一)誘致の重点として、外資系企業が研究開発拠点を設立し中国企業と共同で技術研究と産業化を行うことを支援し、重大な科学技術研究プロジェクトを担うことを奨励する。また、バイオ・医薬分野について、中国外ですでに販売されている細胞・遺伝子治療薬の臨床試験を奨励する。
(3)投資保護の強化(三)では「外資系企業の法に基づく標準策定業務への平等な参加を支援する」として、標準策定・改定の全プロセスにおける情報公開を促進し、外資系企業と中国企業が法律に基づいて標準化技術委員会や標準策定作業に平等に参加できるようにする。
(4)投資運営の円滑化(十三)外資系企業の外国人幹部、技術者およびその家族の出入境や滞在・居住を円滑化する。
(5)財政と税制支援(十八)外資企業の再投資を奨励し、利益再投資の場合、所得税の繰延を認めるとしている。
この国発〔2023〕11号に続いて、各省・自治区・直轄市政府から具体的な実施細則または政策がこれから打ち出され、新規投資または追加投資の増加が期待されます。
金利引き下げ
中国人民銀行は21日、1年ものの金利を0.1%引き下げて、3.45%としました。1年以上のものは4.2%を据え置きすると発表をしました。6月に続けての金利引き下げは内需を拡大し、景気回復の狙いがあると思われます。人民元借入を実施している会社にとっては新しい金利での借り換えのチャンスと考えます。